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■2009.03.23 東郷美沙
                            ※裏描写があります。閲覧は自己責任でお願いします。

「蘭って、本当に色白よねぇ」

体育の授業の後、校舎の一室にあるロッカーで着替えをしていた蘭は園子の声に振り返った。

まだまだ季節の厳しい2月。暖房の入っていないこの部屋は長居するには寒すぎる。教室に戻れば暖房も入っているし、じきに次の授業が始まるチャイムが鳴ってしまうだろう。蘭は早く着替えようと白いシャツに手を伸ばした。
「そ…そう?」
蘭は園子の羨ましげな視線を感じつつ、隠れるように上から順にボタンを掛けはじめる。
「胸の大きさも相変わらずだしぃ」
「なっ、何いってるのよ!」
恥ずかしさで、蘭は胸を隠すようにシャツをギュッと掴んだ。

園子はこうやっていつも冗談めいた、嬉しそうな顔をして蘭をからかってくる。いちいち相手にしてはいけないと思うのだけど、つい蘭は園子の言葉に反応してしまう。それはそうと、と園子が続ける。
「やっぱり空手は室内でやってるからかしらねぇ?」
「それはあると思うよ。テニス部なんてけっこう長時間外にいるでしょ?たとえ日焼け止めクリームをちゃんと塗ってても汗で剥がれたり、長時間塗ったままだと効果も薄れてくるから」
「そうなのよねー。冬はまだしも、夏なんか最悪よ?ちゃんと日焼け止めを塗ったと思ってても、一日経つとスコートと太ももの日焼けの線がくっきりと出てるのよ!」
園子は悔しそうに拳を振り上げた。くすくすと蘭は苦笑した。

蘭はロッカーの中からネクタイを取り出した。腰上まで伸びている艶やかな黒髪を手で一つに束ねて肩に乗せる。深緑色のネクタイを首元にすっと掛けて、慣れた手つきで締め上げた。

いつも体育の時間にはポニーテールに結られている黒髪が今日に限って下ろされていることに気付いているのは、幾人か。目敏い園子と数人の女子に「今日はどうして髪下ろしてるの?」と聞かれると、蘭は、
「だって今日は風はないけど外は冷えるでしょ?この方が防寒になるかなって」と答えた。
みんなこの理由に納得したらしく、それ以上は幸いにも突っ込まれなかった。
友人達に小さい嘘をつかなくてはいけない原因を作った張本人は、この苦労を分かっているのだろうか。はぁ、と蘭はため息を小さく漏らした。

「それにしても蘭は地肌が白いのよっ。この透き通るようなキメ細やかな肌!このモチ肌!あたしって地黒だからさぁ…。活発なお嬢様にはなっても、か弱いお姫様って見られないのが玉にキズなのよね〜〜」
気がつけば、着替え終わった多くの女生徒は教室へ戻ってしまっていた。
帝丹ブレザーを着て先に着替えを終えた園子は蘭の顔をまじまじと見た後、ロッカーの内側に付いている鏡を覗いた。顔の角度を変えたり眉を上げたり笑顔を作ったりと様々な表情を見せる園子に、蘭はつい笑ってしまう。
「そういうのってあんまり気にしたことないけど…。園子は園子だから、色白でも色黒でもどっちでも可愛いよ?」
「あーん、蘭ったらサイコーよっ!」
がばっといきなり蘭に抱きついてきた園子に驚くと同時に、次の授業が始まるチャイムが鳴った。








***








「蘭ちゃんて色白だよね」

不意に聞こえた言葉に、窓から雪が降るのを見ていた蘭は上半身裸でベッドに座る快斗の声に振り向いた。
それは図らずしも昼間園子に言われた言葉と同じであった。

その日の真夜中。一度蘭と交わったあと布団の中で二人じゃれあっていたが、快斗は雪が降っていることに気付いた。蘭にそのことを告げたら、彼女はすぐさま素肌に薄い毛布を肩に掛けてベッド脇に移動した。

窓の外から深々と降る雪。嬉しそうに、明日積もるかなぁとはしゃぐ蘭を見て、快斗は雪に嫉妬をしたので少し意地悪をしたくなった。蘭に気付かれぬように詰め寄り、後ろから毛布ごと蘭を甘く抱きしめた。
「きゃ!?か…快斗くんっ」
驚きながらも、蘭は手を窓に付けて雪が降る様子を見て楽しんだ。
「綺麗だな…」
「ほんと……」
「………俺が昨日付けたシルシがまだ残ってる」
快斗は雪ではなく、毛布の隙間から覗く蘭の首筋を見ていた。指先一本で蘭のうなじをゆっくりと官能的に縦に伝う。
「やんっ!」
蘭は反射的に振り向いて、うなじに手を置いて隠した。もうっ!と、頬を膨らまして快斗を睨みつけた。
乱れた髪が嫌で、髪の毛を一つに纏めて右肩に掛けていたことが災いしたらしい。
「昨日のよりも、さっき新しく付けたやつの方がやっぱり色が濃いけどねー」と快斗は恥ずかしげも無くサラリと言ってのける。
「か、快斗くんのバカッ!あんなに付けないでって言ったのにっ。今日も体育の授業で大変だったんだからね!納得してくれたからよかったものの、園子たちに何て言い訳しようか凄く困ったんだからっ…」
「ごめんごめん、つい、ね…」
「つい、じゃないわよーっ」
羞恥で熱を持った蘭の肌は見る見るうちにその無数の印をより赤く染めた。

肌が白いと、肌が赤くなるのも丸分かりなんだなー…。

部屋の明かりは点いていなかったが、雪明りだけでも蘭の身体の色合いの変化は分かる。それが妙に蘭の身体を形作る陰影と相まって非常に妖しくて、快斗の熱情を煽った。

うなじから肩にかけてのなだらかな線とか。
乱れた黒髪とか。
肌蹴た毛布の隙間から見える胸の隆起とか。
陶器のような細やかな白い肌と赤く散る頬の色とか。
自らが所有の証として刻んだ刻印とか。
――――雪のように無くなってしまわないように。消えてしまわないように。




快斗は蘭の顎を掴むと、激しく口付けを交わした。
「うぅん…」
半開きの蘭の唇に舌を強く押し込み、お互いの舌を艶かしく絡め合う。厭らしく響く音の中で、快斗はもう片方の手で毛布に隠された蘭の乳房を探り出す。少し手で弄って質量を確かめた後、震える胸の突起を丁寧に絞り上げる。蘭の手から離れた毛布は邪魔だとばかりに快斗が横に投げ出した。
お互いが生まれたままの姿になって、夜の快楽へ意識を集中させる。蘭の顎に置いていた手は蘭の身体を撫でるように下りた後、先ほどの行為の跡が未だ残る蜜源へと伸ばされた。
「あぁっ……」
優しくソコを撫でただけで、新たな蜜がトロッと湧き出てきた。蘭は敏感になっている場所に刺激を与えられ、我慢が出来ず首を逸らして苦しげな吐息を吐いた。

後ろから抱きしめられた蘭は、快斗自身が勃っていることに気付いた。蘭の下半身に押し付けられる快斗の雄は蘭を求めて既に大きく、固くなっていた。我慢できずに先端から溢れ出る体液は、蘭の背部を犯している。
潤んだ流し目をして快斗に問う。
「か…いとくん…、また…?」
「なに、蘭ちゃん。俺が今まで一回で終わったことがあったっけ?」
意地悪な微笑みを向けると、蘭は下を向き、「ない…かも…」と諦めたように小さく呟いた。快斗はその答えに満足すると、ベッドに膝をついた体勢のまま本格的に蘭の身体を開いていった。

長く角張った指二本で蘭の中をクチュクチュと掻き乱す。
「んん…あ…あん……」
「すっげ…溢れてくる…」
恍惚とした表情を快斗は浮かべた。蘭から流れ出てくる愛液は終わりを知らないように止め処なく快斗の手を濡らし、それは蘭の太ももを伝い始めていた。
舌を蘭の耳に入れ、絡め取る様な緩慢な動作と唾液で蘭の官能を引き出す。蘭はぎゅっと目を瞑り、開放されることを知って震える身体に耐えるように、快斗の腕を必死で掴んだ。
「蘭ちゃん、イク…?」
普段より低い甘い声で快斗が蘭の耳元に囁くと、恥ずかしげに蘭がコクリと頷いた。
快斗は蘭と舌を弄り合わせて、蘭の乳房を貪る手の動きを激しくすると同時に、蘭の中心を出入りしている指の動きを早める。
「あんっ…あぁ…ああっ!あああぁんっ!」
高い嬌声を出した蘭は身体を硬直させて上り詰めた後、力が入らず前方の窓にもたれ掛かった。快斗は予想していたのか、蘭の腰に腕を巻いて蘭が座り込むのを防いだ。

後ろ斜めから見る蘭は項垂れたまま口を半開きにしてハァハァと息を激しく吐いていた。
汗ばんで濡れている背中の柔肌と長い髪。豊かな両胸は窓に遠慮なく押し潰されている。足を開いたままお尻を突き出す痴態を見せる蘭に、快斗の下半身は一層熱を持ち膨らんだ。
「堪んねぇ……」
快斗は荒く息をすると、はち切れそうな怒張を掴んで蘭の蜜源に先端を押し込んだ。

窓の外からは、絶えず雪が降り注いでいた。小さく白い結晶は風に身を任せ、まるでくるくると踊っているように見える。
「雪を見ながらするのも良くない?」
快斗は蘭の耳元でそう囁いたあと、後ろから蘭を一気に貫いた。
「あぁ…っ!」
喘ぐ蘭に雪見をする余裕があるのかどうかは疑問だけど。


雪も綺麗だけど…雪にも負けない、目の前にある一番綺麗な白い肌を今は堪能していたい。

暫く弧を描く動作を繰り返したりゆっくりとピストン運動したりして蘭の中を楽しんでいた快斗は、両手を蘭の腰に当てて動きを徐々に早めていった。
「やんっ、あぁ…快斗く…!」
「ハァ…すっげぇ気持ちいい…」
「っ…あ…あん……ああっ…」
突き上げるたびに上下に振動する豊かな乳房と艶かしい甘い声。快斗を包み込む柔らかな内壁。そして、不規則に肉棒を締め上げる膣の収縮。快斗の雄はぐうっとより一層大きくなった。

快斗は新たな印を刻むために蘭のうなじを甘噛みしながら、最後の快楽を蘭に与えた。卑猥な水音は蘭の嬌声と重なり大きくなって、部屋の温度を上げてゆく。
「く…はっ……、蘭ちゃん…出、る…!」
最奥を貫いた刹那、快斗は全身を震わせ蘭の中に熱情の全てを注ぎ込んだ。
「ぁああああん!……は、あぁ…あんっ…」
快斗が数回腰を軽く振り精液を膣奥に最後まで叩き付けると、蘭がそれに合わさるように喘ぎ声を漏らす。荒い息のまま、蘭の中に未だ納まっているまま、快斗は蘭の紅潮した背中にぴったりと重なった。

――――熱い。

合わさった肌は汗ばんでおり、お互いの熱情を分かち合っていた。
蘭の桜色を帯びた肌が雪色に戻るのは、いつになるだろうか。
快斗は「朝までには、ね…?」と口角を上げ一人呟いて、息も切れ切れな蘭を漸くベッドに横たえた。












雪を欺(あざむ)く……非常に白い様を表現することわざで、特に女性の肌について用いられる。







(企画投稿時の作者様あとがき)

「雪を欺く」という諺を見たとき、これだ!と思いまして、園蘭+快蘭で冬のエロに仕上げてみました。
無意識でしたが、前作と同じく園・蘭・快ですね…。この組み合わせ、どうやら好きみたいです。

このような企画に参加させて頂き、本当に感謝しております。
快蘭好きさんがもっと増えることを祈って…!
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2008年冬に開催されていた
快蘭冬企画「LOVE SICK2」さんより、作品を移行させていただきましたv